テクニカル分析に用いるインジケーターには様々な種類がありますが、ACオシレーターを普段から活用している人はあまり多くはないでしょう。
バイナリーオプション取引の初心者向けの情報を集めてみると、移動平均線やボリンジャーバンドなどのトレンド系インジケーター、RSIやストキャスティクスなどのオシレーター系インジケーターが紹介されているケースが目立ちます。
ACオシレーターはどのようなインジケーターなのでしょうか。
この記事ではACオシレーターの基礎情報から説明し、実際に取引でどのように使えば良いかを紹介します。
ハイローオーストラリアでのバイナリーオプション取引での使い道も挙げるので、自分のトレード手法にうまく取り入れてみましょう。
目次
ACオシレーターは加速度の指標
ACオシレーターとは英語にすると「Accelerator Oscillator」です。日本語でもアクセラレーターという言葉が使われることがありますが、エンジンのアクセルを考えてみるとよりイメージしやすいでしょう。
ACオシレーターはオシレーター系インジケーターで、アクセルを踏んだときのように駆動力がどのくらいあるかを示す指標です。Acceleratorは加速を意味する言葉で、価格の変化の加速度がどの程度強いのかをACオシレーターから判断することができます。
アメリカのトレーダーとして有名なビル・ウィリアムが開発したインジケーターとして知られていて、MT4やMT5ではオシレーター系ではなくビル・ウィリアムズ系という別枠になっています。
ビル・ウィリアムズはACオシレーター以外にもオーサムオシレーター、ゲーターオシレーター、アリゲーター、フラクタル、マーケットファシリテーションインデックスというインジケーターを開発しています。
この中でトレーダーからしばしば着目されているのがACオシレーターとオーサムオシレーターです。ACオシレーターの意味を理解するにはオーサムオシレーターについても知る必要があるので併せて確認していきましょう。
ACオシレーターとオーサムオシレーターの計算方法と意味
ACオシレーターについて理解するために、まずはオーサムオシレーターがどのようにして計算されるのかを見ておきましょう。
オーサムオシレーターは単純移動平均線から計算します。5期間移動平均線から34期間移動平均線を引き去ることで算出するのがオーサムオシレーターです。
ACオシレーターはオーサムオシレーターをベースにして、オーサムオシレーターの5期間移動平均線を引き去ることで計算します。
計算方法を理解しておくことが必須というわけではないので、覚えておくべきポイントをおさえればいいかもです!
このような計算によってどのような意味の違いが生まれるのかを考えておきましょう。
オーサムオシレーターもACオシレーターも価格の駆動力の強さを示す指標という点では同じです。しかし、オーサムオシレーターは全体的な傾向を見る程度なのに対して、ACオシレーターは直近の価格の動きによる影響を大きく受ける性質があります。
オーサムオシレーターは5期間移動平均線と34期間移動平均線の差なので中長期の値動きに対して、直近5期間の値動きの影響を数値的に評価しているインジケーターです。
ACオシレーターはオーサムオシレーターをさらに5期間移動平均線で補正をかけることによって、二重に直近5期間の値動きの影響を強めています。
そのため、この二つを比較するとオーサムオシレーターは値動きに対してあまり鋭敏ではなく、トレンドの中長期的な傾向の把握をするのに適しています。それに対して、ACオシレーターはまさに今どう動くかを見るのに適しているので短期的な変化を狙ったトレードに有用なインジケーターです。
オーサムオシレーター
◆価格の駆動力の強さを示す指標である
◆全体的な傾向を見る性質がある
◆値動きに対してあまり鋭敏ではなく、トレンドの中長期的な傾向の把握をするのに適している
ACオシレーター
◆価格の駆動力の強さを示す指標である
◆直近の価格の動きによる影響を大きく受ける性質がある
◆まさに今どう動くかを見るのに適しているので、短期的な変化を狙ったトレードに有用
ACオシレーターの見方と活用シーン
ACオシレーターはハイローオーストラリアを利用しているトレーダーからよく選ばれている分析ツールであるMT4では標準搭載されているインジケーターです。
ACオシレーターを表示したときの見方を理解しておきましょう。
ACオシレーターを表示するのは簡単でMT4でチャートを表示した後、左側にある「ナビゲーター」の「インジケーター」の中から「ビル・ウィリアムズ系」を選びます。
その中からAccelerator Oscillatorを探してチャート上にドラッグ&ドロップすれば表示可能です。

この図だと「インジゲーター」が「罫線分析ツール」になっていますが、どちらも同じです!
ACオシレーターはラインではなくヒストグラムによって表示するのが標準です。
ヒストグラムの色は緑色と赤色の二種類になっています。この際に、前のヒストグラムよりも値が大きいときには緑色、値が小さいときには赤色になるのが特徴です。
平たく考えると緑になったときには1期間前よりも価格が上昇する駆動力が高まっていることを示しています。逆に赤の場合には1期間前よりも価格が下落する駆動力が高まっている状況です。
ACオシレーターは相場のトレンドを把握するのに使うことができます。
トレンド系インジケーターと組み合わせて、上昇トレンドや下降トレンドが明らかかどうか、あるいはトレンドが発生しているかどうかを見極めるのに有効です。
トレンドの判定基準も比較的わかりやすいのですぐに覚えられます。
0を基準として考えて、ACオシレーターが0を下から上に抜けていったら上昇トレンドが発生してきています。
逆に0を上から下に抜けたときには下降トレンドに移ろうとしていると解釈可能です。

また、上昇トレンドや下降トレンドが終わってレンジ相場に移るときやトレンドが転換するタイミングを見極めたいときにもACオシレーターをサポート的に活用できます。
上昇トレンドでACオシレーターが上向きになっているときにヒストグラムの色が緑色から赤色に変化する場合があります。このサインが出たら価格を上昇させる駆動力が弱まっていますが、そのまま赤色が3本続くと相場が反転またはレンジ相場になるのが一般的です。

逆に下降トレンドのときにはACオシレーターが下向きですが、ヒストグラムの色が赤色から緑色に変化すると価格を下げる駆動力が弱まっています。この状況で緑色が3本続いたらトレンドが転換して上昇トレンドになるかレンジ相場に入ると考えられます。

このようにACオシレーターを使うとこれから起こる値動きの方向性と大きさを判断することができます。
単独で使用するとダマシに遭うリスクが高いですが、トレンドの様子を見るには簡単でわかりやすいことで定評があるのがACオシレーターです。
ACオシレーターを利用するエントリーサイン
バイナリーオプション取引でインジケーターを使いたいと思ったときには、そのインジケーターのサインを見てエントリーできるポイントを見つけることを目指す場合が多いでしょう。インジケーターによってエントリーサインがあるかどうかは異なりますが、ACオシレーターでは比較的信頼性が高いサインがあります。
ACオシレーターの見方を説明したときにトレンドの転換点を予想できることを紹介しました。これを生かすとエントリーサインを見つけられます。
順張りの場合
ヒストグラムが上向きで緑色が2本続いたときには価格が上がろうとしていると考えられるでしょう。このタイミングでHighエントリーをすれば取引に成功すると期待できます。
逆にヒストグラムが下向きで赤色が2本続いた際には価格が下がろうとしているので、Lowエントリーをすれば良いということになります。

この二つの方法はトレンドに合わせてエントリーする順張りの手法になっています。これだけで判断してしまうと失敗する可能性があるので、ローソク足や順張りと相性が良いトレンド系インジケーターと合わせて角度を高めましょう。
逆張りの場合
一方、ヒストグラムが下向きで緑色が3本続いたときもACオシレーターによるエントリーサインです。この場合には下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆しています。
エントリーはHighですが、今までの下降トレンドの強さによってエントリーに適したタイミングが若干ずれることがあるので注意しましょう。
また、ヒストグラムが上向きで赤色が3本続いたときにもエントリーサインと見なせます。このときには上昇トレンドだった相場が下降トレンドに転換するポイントと考えられるので、Lowでエントリーできるタイミングだと判断します。

この二つは逆張りになるので、トレンドの転換点かどうかを多角的に分析するのが大切です。
トレンド相場のときだけでなくレンジ相場でも使えるので、適切な時間足を選び、オシレーター系インジケーターを補助として使ってエントリーの判断をしましょう。
短時間取引に有効?ターボ取引を攻略しよう
ACオシレーターはハイローオーストラリアで人気のターボ取引に活用できます。ACオシレーターは値動きの駆動力の指標なので、短時間でどちらに価格が動くかを見極めるのに効果的なのです。
ハイローオーストラリアのターボ取引は取引スケジュールが決まっていないので、エントリーしたタイミングから30秒、1分、3分、5分の取引時間で判定が行われます。
つまり、ACオシレーターのヒストグラムを見て、このタイミングなら確実に上がる、下がるという瞬間にエントリーして勝率を上げられるのが魅力です。
ただ、ACオシレーターを使うときに注意が必要なのは、あくまで価格が動く速度ではなくて加速度を示すインジケーターだということです。
ACオシレーターで上向きのヒストグラムが出てきたらすぐに価格が跳ね上がるというわけではありません。ずっと上向きだった場合に緑色だったとしたら上がり続けると考えられますが、0付近から伸びてきたり、下向きから上向きに変わったりしたときには少し遅れて価格の動きに影響してきます。
そのため、ACオシレーターの状況に応じて取引時間を調整する必要があるのです。
”加速度”を表示しているのでどうしても実際の動きと乖離があるので、30秒取引や1分取引にはあまり向いていません。
ハイローオーストラリアのターボ取引で比較的勝率が上がりやすいのが3分取引を3分足と5分足のチャートで分析して逆張りでエントリーする方法です。レンジ相場でチャンスをつかみやすいので、レンジ相場になっているケースが多い東京市場の時間帯を狙うと良いでしょう。
世界3大市場の取引時間(日本時間)
取引開始時間 | 取引終了時間 | |
東京市場 | 9時 | 17時 |
ロンドン市場 | 冬時間:17時 夏時間:16時 | 冬時間:2時 夏時間:1時 |
ニューヨーク市場 | 冬時間:22時 夏時間:21時 | 冬時間:10時 夏時間:9時 |
取引開始時間 | |
---|---|
東京市場 | 9時 |
ロンドン市場 | 冬時間:17時 夏時間:16時 |
ニューヨーク市場 | 冬時間:22時 夏時間:21時 |
取引終了時間 | |
東京市場 | 17時 |
ロンドン市場 | 冬時間:2時 夏時間:1時 |
ニューヨーク市場 | 冬時間:10時 夏時間:9時 |
ACオシレーターだけではタイミングを見極めるのも難しく、ダマシに遭うリスクが高いのでラインを組み合わせるのが大切です。
レジスタンスラインを利用
レンジ相場のレジスタンスラインとサポートラインを引いてボックスを作ります。そして、レジスタンスラインに近づいてきたときにACオシレーターが3本連続で赤色のヒストグラムになったらLowでエントリーするのが基本パターンです。
エントリー前にRSIなどのオシレーター系インジケーターで反発が起こる根拠が他にも揃っているかを見るとさらに確度が高くなります。
レンジ相場やRSIについてはこれらの記事を読んでみてください。


サポートラインを利用
一方、サポートラインに近づいてきたときにACオシレーターが3本連続で緑色のヒストグラムを示したときもエントリーサインです。この場合にはHighでエントリーすると勝てる可能性が高いでしょう。
この方法はエントリーした時点ではまだ上昇あるいは下降を続けていて、間もなく動きが反転するのが通例です。そのため、取引時間が短すぎると価格が下がり切らない、上がり切らないといった失敗が起こり得ます。
また、取引時間が長いと次の反発が起こるリスクがあるため、3分取引が一般的には有効です。
取引量の多さや相場の値動きの速さ、通貨ペアの特徴によって取引時間を変える必要があります。始める前に数回、デモ取引で様子を見てから資金を投入するのが無難です。

まとめ
ビル・ウィリアムズが開発したACオシレーターはオーサムオシレーターと共に、価格が上下に動く駆動力がどのくらいあるかを見極めるためのオシレーター系インジケーターです。
オーサムオシレーターは全体の相場の流れを把握するのに適していますが、ACオシレーターは直近の値動きの影響を大きく受けるので、これから短い期間にどんな相場の動きがあるかを予測するのに適しています。
ACオシレーターの挙動によってトレンド相場の転換を見るのは比較的信頼性がある方法ですが、ACオシレーターのみでエントリーを判断すると失敗しやすいので注意しましょう。
加速度を見るだけのインジケーターなので、順張りをするならトレンド系、逆張りをするならオシレーター系のインジケーターと組み合わせて使うのが基本です。ハイローオーストラリアではターボ取引に使いやすいので、高いペイアウト倍率を狙って効率的に稼ぐのに有効活用しましょう。
ここではラインと合わせて使う基本的な3分取引の方法を紹介しました。
他の取引時間についても違うインジケーターを主体にして、ACオシレーターを補助的に利用すると確度が高まります。
ヒストグラムを見慣れるまで瞬時に判断するのは難しいかもしれません。しかし、慣れると色々なシーンで活用できるので、ACオシレーターを普段から使っていくようにしましょう。