相場のフォローによる順張りはハイローオーストラリア(Highlow.com)の初心者でもできるエントリー手法として人気です。
熟練者になると逆張りを好む傾向が生まれますが、初心者にとってははっきりとしているトレンドに沿ってエントリーする順張りは安心感があるでしょう。
順張りトレードができるようになってから、トレンドの転換点を狙った逆張りを狙えるように成長していき、さらに多様な局面で順張りと逆張りを使いこなせるようになっていくのが典型的な成長プロセスです。
ただ、相場のトレンドをうまく読めなくて困っている人もいるでしょう。
トレンド相場の順張りをマスターしたい人におすすめなのがGMMAです。
GMMAとはどのようなテクニカル指標なのでしょうか。
この記事ではGMMAの基礎から解説を始め、実戦での活用方法も詳しく紹介します。
ハイローオーストラリアでの生かし方をよく考えてみましょう。
目次
GMMAとは
GMMAとは「Guppy Multiple Moving Average」の頭文字を取った略称で、日本語では複合型移動平均線と言います。
「Guppy Multiple Moving Average」
複合型移動平均線
Guppyというのは考案者であるオーストラリアのアナリストDaryl Guppyの名前に由来していて、株式市場のテクニカル分析のオリジナル手法として生み出しました。
GuppyはGMMAを駆使する解析手法も著書で公開するなど、世界的に自作のインジケーターを使ってもらえるように情報展開をしています。
GMMAは期間設定が異なる指数平滑移動平均線を12本同時に表示するトレンド系インジケーターです。
正確に言えば6本の短期指数平滑移動平均線と6本の長期指数平滑移動平均線をバンドとして扱い、2束のバンドの推移を解析することによりトレンドの強さや勢い、広がりなどを導き出せるように仕上げられています。
指数平滑移動平均線は移動平均線の一種で、単純移動平均よりも直近の価格を重視する仕組みになっています。
直近の価格だけ二倍にして平均値を算出しているため、その日の終値の影響を受けやすいのが特徴です。
Guppyが提唱している期間設定は、短期指数平滑移動平均線には3,5,8,10,12,15、長期指数平滑移動平均線には30,35,40,45,50,60です。
◆短期指数平滑移動平均線…3,5,8,10,12,15
◆長期指数平滑移動平均線…30,35,40,45,50,60
一般的に使われている短期移動平均線よりもかなり短い期間から細かく6つの期間を使うことがわかります。
長期移動平均線の取り方は人によってやり方がかなり違いますが、やはり細かくほぼ一定間隔で6つの期間を選ぶのが特徴です。
GMMAの意味
GMMAは単純に指数平滑移動平均線を組み合わせただけのインジケーターです。
そう考えてしまうと特に意味がないのではないかと思うでしょう。
しかし、GMMAは視覚的に入ってくる情報から直感的に相場を理解できる点で優れているインジケーターです。
GMMAは移動平均線の応用
移動平均線を使って相場を分析しているときに、長期線と短基線を組み合わせた、あるいは長期、中期、短期の三本の線を組み合わせたことがあるでしょう。
その考え方が正しく理解できていればGMMAの意味がよくわかります。
二本の移動平均線を使うテクニカル分析ではゴールデンクロス、デッドクロスがよく用いられています。
短期線が長期線を下から上に抜けたらゴールデンクロスで上昇トレンドになるというのが定石です。
三本の移動平均線を使う手法としてはパーフェクトオーダーが典型例です。
長期線、中期線、短期線が下から順番に並んでいるときにはパーフェクトオーダーが形成されていて上昇トレンドになっていることを示します。
このような相場分析では期間が短い移動平均線ほど直近の価格を大きく反映し、期間が長いほど過去の値動きに影響されることを利用しています。
パーフェクトオーダーを見るときに短期線と長期線だけでなく中期線も含めるのは、時系列的にきちんと価格が上がってきているかどうかを見るためです。
GMMAは情報量が多い
GMMAでは6本ずつ合計12本を組み合わせているのでパーフェクトオーダーの解析のような価格の流れを読むのが簡単です。
そして、短期バンドと長期バンドは期間の差が小さいのでまとまった形で表示されます。
短期線と長期線とも見て取れるので、ゴールデンクロスやデッドクロスも見ることが可能です。
この他にもバンドの様子を見ることで多様な解析ができることから、GMMAを使うと相場の理解が深まります。
2束のバンドとして移動平均を表示することで視覚的に得られる情報も増えています。
バンドの幅の広さ、バンドを構成する移動平均線の順番、それぞれの線の傾きの変化、長期バンドと短期バンドの傾きや間隔など、様々な情報を一目で見て取れます。
見慣れるまでに苦労があるのは確かですが、見方を覚えてしまうと直感的にトレードポイントがあるかどうかを見極められるようになります。
GMMAの見方の基本
GMMAは一本や二本の移動平均線を使うのに比べて幅広い情報を視覚的に得られます。
基本的な見方をまず理解して、GMMAを活用できるようになりましょう。
GMMAを見て比較的簡単にわかるのは相場の方向性、強さ、勢い、転換点です。
相場の方向性
相場の方向性はバンドの向きから概ねわかります。
全体的な流れを見たいときには長期バンドの向かう方向を見て、エントリーするタイミングでの細かな値動きを見たいときに短期バンドを見るのが基本です。
各バンドの期間が短い線から順に下から上に並んでいれば上昇トレンド、上から下に並んでいれば下降トレンドがあることがわかります。
相場の強さ
相場の強さはバンドの幅によって理解できます。
バンドの幅が広くなっているときにはトレンドが強く、幅が狭いときにはトレンドが弱いと解釈可能です。
相場の勢い
相場の勢いが強まっているか弱まっているかはバンド同士の間隔と、線同士の間隔から見て取れます。
長期的な視点でトレンドが強く勢いがついてきているときにはバンドの間隔が広くなります。
トレンドが弱まってきているときにはバンド同士が接近します。
また、短期的な視点では短期バンドの間隔の変化を見ることで勢いの変化を読み取ることが可能です。
期間が短いバンドに向かって間隔が広くなっているときには勢いが増していますが、間隔が狭くなっているときには勢いが衰えています。
相場の転換点
相場の転換点のシグナルは短期移動平均線と長期移動平均線のクロスのように一点で決まらないのが特徴です。
短期バンドと長期バンドは幅を持ってクロスすることになるからです。
さらに長期バンドを構成する6本の移動平均線もクロスし、短期バンドを構成する6本もクロスします。
順番としては長期バンド内のクロス、短期バンドと長期バンドのクロス、短期バンド内のクロスというのが普通です。
また、転換点のもう一つのパターンとして、短期バンドが長期バンドに押し戻されるケースがあります。
長期バンドはトレンドの全体的な動きを示し、短期バンドは直近の値動きの仕方の特性を表しています。
そのため、相場のトレンドに従って値動きをしていることが長期バンドからわかります。
その流れの中で一時的に価格が下がり、また元に戻ってトレンドに乗ったことを示しているのが短期バンドの動きです。
トレンド相場の中でも価格は上下動を繰り返しているのが一般的で、ここで押し目買いが起こっているのがわかります。
押し目買いの転換点を狙う逆張りをしたいときや、押し目の後に続く長めのトレンドに沿った値動きを狙う順張りをしたいときには見ておくと良いパターンです。
このようにGMMAは相場を視覚的に理解するのに適しているインジケーターです。
トレンド相場なら大体のことを把握できるので実際にハイローオーストラリアで活用してみましょう。
GMMAを使うデメリット
GMMAを使うと一目で相場の様子がわかり、少し慎重に解析をすれば相場の動き方はほぼ把握できるメリットがあります。
しかし、GMMAにはデメリットもあるので注意しましょう。
慣れるまでわかりづらい
GMMAは見慣れないとわかりづらいのがデメリットです。
移動平均線やボリンジャーバンドなどのインジケーターを使用し始めた段階の人にとっては切実な問題で、線やバンドがそれぞれどういう意味を持つのかを考えるだけでも頭が混線してしまいがちです。
2束のバンドとして見れば良いというのを理解し、直感的に見られるようになるまでは分析に時間がかかります。
何を見れば相場のどんなことがわかるのかも直感的に判断できるようになるまでは苦労が多いでしょう。
相場解析に時間がかかり過ぎてしまってエントリーのチャンスを逃がすかもしれません。
トレーニングをして使いこなせるようになってからでないとハイローオーストラリアでは活用しにくいでしょう。
チャートが見づらくなる
GMMAは表示するとチャートが非常に混み合うのもデメリットです。
12本もの指数平滑移動平均線を描画するので、チャートに他のインジケーターも表示するとわけがわからなくなってしまうでしょう。
トレンド系インジケーターは一般的にチャート上に重ねて表示するのが一般的ですが、表示した際に線が混み合ってしまって解釈を誤るリスクがあります。
GMMAはトレンド相場で有用なインジケーターで、レンジ相場ではあまり得られる情報が多くありません。
そのため、他のトレンド系インジケーターと組み合わせて使いたいと思うのはもっともなことですが、チャートを見誤るかもしれないので注意しましょう。
GMMAをハイローオーストラリアで活用するコツ
GMMAをハイローオーストラリアで活用するときは、もう一つのインジケーターを同時に使うのが無難です。
GMMAはバンドとなっている影響で、相場の解析に使うのには優れていますが、GMMAだけではいつエントリーすべきかを判断するのが難しいのが問題です。「ここでエントリーだ」と判断できるインジケーターと組み合わせるとスムーズに取引ができます。
ただ、トレンド系インジケーターを使うと線が混み合ってしまってわかりづらいので、トレンド相場でも使えるオシレーター系インジケーターを使うのがコツです。
ここではMACDを使うトレード手法を紹介します。使用するのはゴールデンクロスだけです。ゴールデンクロスの発生する流れを見てハイエントリーする手法を見てみましょう。
GMMA+MACDでエントリー
ゴールデンクロスを狙うときには明確な上昇トレンドが発生するポイントを狙うのが基本です。
GMMAが通用しやすいのはトレンド相場なので、下降トレンドから上昇トレンドに転換するポイントに着目して、上昇が始まってから順張りエントリーをするというのが基本方針になります。
まず、GMMAから相場の下降トレンドが終了して保ち合い状態になり、これから上昇トレンドに向かおうとしている様子を見極めます。
長期バンドが短期バンドの上側にあり、二つのバンドの間隔が狭まってきているなら保ち合い状態に向かっています。
さらに短期バンドの幅が狭くなり、相場が弱くなっているのを確認して転換が起こりやすい相場だと判断しましょう。
次にMACDのヒストグラムを確認します。ヒストグラムがマイナスになっていて、最小値を過ぎてから単調に上昇を続けてきているのを見ます。
この状態でスタンバイしてMACDラインとシグナルラインがゴールデンクロスしたら、そのときのローソク足を見ます。
陽線になっているなら上昇トレンドが始まったと見てエントリーしましょう。
このタイミングで陰線になったときにはまだMACDのサインが早すぎてトレンドが転換していません。
次のローソク足を見て陽線になったら上昇トレンドが始まったと考えられますが、ダマシのリスクもあります。
このタイミングでGMMAを確認し、短期バンドと長期バンドのゴールデンクロスが起こっていて、さらに短期バンドの6本が同じタイミングでゴールデンクロスをしているならエントリーしましょう。
このような一致がない場合には相場が乱れていて、上昇トレンドが発生せずにレンジ相場に移行する可能性があります。
もし短期バンドが全てクロスしなかったならエントリーを控えておきましょう。
まとめ
ハイローオーストラリアで順張りをマスターするにはGMMAが総合的に役に立ちます。
GMMAは6本x2対の合計12本もの指数平滑移動平均線を表示するインジケーターだからです。
短期線と長期線をバンド状にして相場の様子を視覚的に見やすく表現しているのが特徴で、見慣れると直感的に相場を読めるようになります。
使い方が難しいというよりは、見慣れるまで時間がかかるのがGMMAの問題点です。
ただ、移動平均線の応用版として集大成とも言える仕上がりになっているため、慣れてしまえば相場を読みこなす基盤にできるでしょう。
ハイローオーストラリアで順張りをまずは極めたいと思っているなら、GMMAを普段から表示しておくのがおすすめです。
見慣れてしまえば順張りに効果を発揮するので、まずは使うという意識を持ちましょう。